かしま志民党 政策提言2015『鹿嶋ビジョン30』(地方議会版マニフェスト)

第 一章 今なぜ地域政党なのか

第二章 かしま志民党とは
1 かしま志民党は何を目指すのか
2 理念
3 運営方針
4 ミッション(次代に受け継ぐべきもの)

第三章 7つの基本方針
1 鹿嶋経済圏の成長戦略で世界に羽ばたくまち
2 シニア世代が輝き、医療・福祉が充実しているまち
3 女性ならではの繊細な目線を活かせるまち
4 子育て日本一のまち
5 子どもたちの創造力を育むまち
 6 いのちを大切にするまち
7 安全な食とエネルギーのまち

第四章  10の政策課題と30の政策提言
1 継続・安心の医療・福祉
2 かしま経済活性化と安定雇用(がんばる人が報われる地域づくり)
3 地域商業活性化(コストゼロの地域活性化・地域通貨・テーマパーク演出のまちづくり)
4 子育て重点支援(子育て家庭の「安心」づくり)
5 紋切り型学校教育からの脱却
6 農水産業と観光振興
7 交通環境の充実
8 スポーツによる鹿嶋ブランディング
9 市役所改革(借金を増やす前にやるべきことがある!・財政規律・行財政改革)
10 議会改革

おわりに 人口減社会の中で鹿嶋市が生き抜く方策

第 一章 今なぜ地域政党なのか

市町村間の政策競争が激しくなる中で、パイオニア精神を持ちながら市民ニーズを先取りできる政策集団が求められています。国益だけにとらわれず、地域の利益を追求するために、健全な二元代表制、市民が主役のまちづくりなどを目的として活動できるのが「地域政党」です。

キーワード『市議会はミニ国会!?』

今の鹿嶋市議会の構成を見ると保守系議員を中心に国会議員の下請け状態。これでは、国が考えた地方の政策が、鹿嶋に下りてくるだけ。地域主権を目指すためには、特定の業界や職域などに配慮することなく地域住民に的をしぼった政策立案ができる地域政党が必要です。

キーワード『二元代表制』

ともに住民から選ばれた市長と議会が緊張感を保ちながら市の運営方針を決定し、執行を監視し、また積極的な政策提案を通してまちづくりを進めるのが二元代表制。しがらみのない立場で政策を立案し、条例や予算を審議できる地域政党が必要です。

キーワード『本物の政治家の輩出』

健全な二元代表制のもとで、自分の考えで判断し行動できる政治家、そして選挙のためではなく市民のために汗をかくことができる政治家を輩出します。議会内での数合わせに終始するのではなく、理念とミッションを常に共有できる同志ともに活動します。

第二章 かしま志民党とは

私たちは、まちづくりの基本は「自分たちのまちは自分たちで創る」ことであると認識しています。これからの新しい鹿嶋のために必要な取り組みとして、『次代を創るプロジェクト』の一連の流れの中で、かしま志民党を設立しました。『次代を創るプロジェクト』はパイオニア精神を持ちながら、市民ニーズを先取りし、もっと豊かな鹿嶋を実現するための、鹿嶋の、鹿嶋による、鹿嶋のためのプロジェクトです。

『次代を創るプロジェクト』の理念

 1.眼前の問題から目を背けることなく全力で問題を解決します。
2.市民が主役のまちづくりを推進します。
3.新しい価値を創り出します。
4.市民第一の理念のもとで、社会からの厚い信頼を獲得します。
5.お互いを尊重し、物心ともに豊かなくらしを具現化します。

1 かしま志民党は何を目指すのか

(1)健全な二元代表制の実現
二元代表制の特徴は、首長、議会がともに住民を代表するところにあります。ともに住民を代表する首長と議会が相互の抑制と均衡によって緊張関係を保ちながら、議会が首長と対等の機関として、市町村の運営の基本的な方針を決定し、その執行を監視し、また積極的な政策提案を通して政策形成の舞台となることこそ、二元代表制の本来の在り方であるといえます。このような健全な二元代表制を実現させるためには、政策立案能力や審査能力、ディベート力を持ち、首長から出される条例案や予算・決算案を審議する能力をもった地域政党が必要なのです。 

(2)鹿嶋を本拠地とする政党の必要性
現在の中央政党はすべて東京発です。地方にかかわる政策を東京で立案、決定し、そして地方にある政党支部がその下請けを行います。結果、中央政党と地方にある政党支部での政策のねじれや党利党略に振り回されるという問題が発生し、地域に住む市民の声が消されてしまいます。これでは、地域の実態を踏まえた政策を実現させることはできません。このようなしくみから抜け出し、地域独自の視点と見解を示すことが地域政党の役割であり、地域ありきで独自政策を掲げる地域政党の存在が必要なのです。私たちは、鹿嶋に根差し、鹿嶋のことは鹿嶋で決めることを目指す政党なのです。

(3)市民が主役の街づくり
2014年の鹿嶋市長選挙において、現職の市長に票を投じなかった有権者は38357人。この票数は有権者数の70.7%にあたります。これだけ不支持票があるという事実は、つまり「鹿嶋市民は現体制を望まない」と理解すべきではないでしょうか。選挙で支援を頂いた団体・個人の意見だけを吸い上げ反映していくのではなく66720人(平成26年5月1日現在)の鹿嶋市民の意見を出来るだけ、市政に活かし、より良い鹿嶋を作り上げていかなければなりません。その為にも「市民が主役のまちづくり」を推進する地域政党が必要なのです。

(4)本物の政治家の輩出
住民から選挙で選ばれる議員は政策立案能力や審査能力、最低限のディベート力をもっていなければなりません。地域住民と交流し、地域課題を的確に判断できる能力も必要です。健全な二元代表制のもとで、正しいことは正しいと自分の考えで判断し行動できる政治家、選挙のためではなく市民のために汗をかく政治家を輩出していきます。議会内での数合わせに終始することなく、理念とミッションを常に共有しながら共に進むことができる同志を発掘し、育てながら、結果として本来的な意味での世代交代を促していきます。

2 理念

(1)新たな価値の創造
パイオニア精神をもって常に市民ニーズを先取りし、新たな価値を創造する。
(2)市民第一、生活者起点
市民ニーズに合致した政策を提言し、社会からの厚い信認を獲得する。
(3)マンパワー&パートナーシップ
すべての市民を尊重し、市民による市民のための物心ともに豊かな生活を具現化する。

3 運営方針

(1)信頼に値すること
(2)市民に焦点を合わせること
(3)お互いに尊敬し合うこと
(4)法令等を遵守すること

4 ミッション(次代に受け継ぐべきもの)

(1)豊かな自然と景観に囲まれた鹿嶋
(2)門前町ならではの伝統を重んじる気風を残した鹿嶋
(3)パイオニア精神をもってブランドづくりに取り組む鹿嶋

第三章 7つの基本方針

「住んでよかったと実感できるまち」、私たちはこのような鹿嶋市のすがたを思い描いています。住民福祉を他の自治体以上にし、市民満足度が上がり、そして住む人や観光客を増やしていきたい…。そのために、まずは財政をさらに健全なものにしなければなりません。ムダな予算は見直し、予算配分の優先順位を変える事によって生み出した予算を、子育て、教育、医療、介護、福祉分野に振り向けていく必要があります。また、出ずるを制すだけでなく、入りを図るために、農水産業や工業・商業などの産業を発展させる必要があります。インフラ関連事業の見直しや巻き直しを行い、今後の成長産業である環境・エネルギー事業への支援に加え、鹿嶋が誇る生活・文化・産業と観光を連携させ、今以上の住みよいまちづくりを目指します。

1.鹿嶋経済圏の成長戦略で世界に羽ばたくまち

国際戦略港湾の一翼を担う鹿島港の発展的な利用により、鹿嶋が誇る生活・文化・産業を軸に周辺自治体との地域間連携を進めます。鹿嶋市北側の鉾田市で5万3千人、西側の潮来市と行方市で7万2千人、南側の神栖市で8万9千人、鹿嶋市の人口を加えて約28万人の市場を形成し、鹿嶋がハブとなって交流人口を増大させます。鹿嶋市を経済圏の中心として、周辺自治体も一緒に発展してゆける地域経営のリーダーシップを発揮していきます。

2.シニア世代が輝き、医療・福祉が充実しているまち

鹿嶋には、鹿嶋ブランドを創ってきた元気で粋なシニアの方がたくさんいらっしゃいます。その知恵や経験を地域のために活かしてもらう街づくりを推進したいと考えます。そのためにも、医療や福祉がどこよりも充実し、誰もが安心して住めるまちを実現していくのが我々の使命です。

3.女性ならではの繊細な目線を活かせるまち

小さな工夫を重ねることによって住民福祉を大胆に改善したり、また市民一人ひとりのニーズに応じた地域生活を実現させるために、女性の目線は欠かせません。政策づくりの段階から、さまざまな立場にある女性の価値観を取り入れた「住み心地のよいまちづくり」を追求します。

4.子育て日本一のまち

少子高齢社会において、子どもたちを地域全体で育てることが求められています。素晴らしい自然環境をベースに、みんなで子どもを見守り、育むまちでありたいと考えます。どこよりも安心して、低コストで充実した子育て環境を享受できる子育て日本一のまちになり、鹿嶋に住みたいファミリーを増やしていきます。

5.子どもたちの創造力を育むまち

鹿嶋の子どもや若者がこれからの成熟社会で生きていく力を身につけ、社会に貢献できるように、世界で活躍する人材に育つように、教育に力を注ぎます。高度成長期に必要とされた高処理能力だけではなく、答えの無い時代に答えをみつけていく創造力、多くの人々とつながっていく協調性、コミュニケーション力などの社会参画型教育を充実させます。どこよりも教育環境を充実し、子どもの個性を大切にする教育改革に着手します。

6.誰もが安心して暮らせ、いのちを大切にするまち

子どもから高齢者まで、安心安全で、地域とのつながりがあり、多くの人と交流でき、社会的に弱い立場の方々を支援し、共に助け合う地域社会をつくります。人とすべての生き物、自然がお互いを大切にしあえる、そんな優しいまちづくりを目指します。

7.安全な食とエネルギーのまち

鹿嶋は、地元の食材にめぐまれており、豊かな食文化が根付いています。また豊かな陽光と海があり自然エネルギーを享受する環境に恵まれています。食もエネルギーも安全に地産地消できる、そんなまちを目指します。

第四章  10の政策課題と30の政策提言

市民ニーズを把握し、それを元にして政策を立案し、そしてその政策を実現するために行動し、さらには行政の対応の様子を検証して、新たな次の政策へと進化させるというサイクルによって、市民のみなさんと共につくった政策の実現を目指します。

1.継続・安心の医療・福祉

 ●全国初の「『条例』常任委員会」の設置
 ●徹底した情報公開と市長と対等な関係で行政を治めるしくみづくり
 ●「政治倫理条例」の策定
 ●子どもと高齢者、高齢者と障害者の統合ケアのしくみづくり
 ●病気予防や健康づくりのための研究プロジェクト設立
 ●高齢者や障害者の成年後見制度の推進

2.かしま経済活性化と安定雇用

 ●「地域資源活用戦略」の策定
 ●地域貢献に積極的な企業に対する支援の拡充
 ●国内外会議・大会・学会・展示会の誘致

3.地域商業活性化

 ●買い物弱者(買い物難民)の支援
 ●働く場、住む場、人が集う場を集約させる「中心市街地活性化計画」の策定
 ●資源配分のための「地域経営会議」の設立

4.子育て重点支援

 ●子育て家庭ごとの支援計画づくりと子育て世帯の所得保障
 ●「まちかど保健室」事業の立ち上げ支援
 ●子育てハンドブックなどによる出産後の母子支援

5.紋切り型学校教育からの脱却

 ●学校長が使える予算の拡充と、地域全体で学校を支えるしくみづくり
 ●特別な支援を必要とする子どもへのモデル事業の取り組み
 ●生まれてから中学校卒業までの一貫した教育体制づくり

6.農水産業と観光振興

 ●農業従事者と農業を目指す人たちとの交流による市民利用農園の推進
 ●高齢者への農地貸し出しと支援
 ●低タンパク米など農産物の差別化戦略の策定

7.交通環境の充実

 ●「かしまエキスプレス」構想による「新・鹿島開発」
 ●循環バス、鹿島臨海鉄道等の公共交通機関の活用
 ●都市計画道路網の見直し

8.スポーツによる鹿嶋ブランディング

 ●「スポーツコミッション」の創設によるスポーツ振興と地域経済活性化
 ●子ども、高齢者、障害者が生涯にわたってスポーツに親しめる環境の整備
 ●地区公民館単位のウォーキング事業

9.市役所改革

 ●「財政健全化条例」の策定
 ●補助金改革、決算剰余金の還付のしくみづくり
 ●市職員給与体系の見直し

10.議会改革

 ●全国初の「『条例』常任委員会」の設置
●徹底した情報公開と市長と対等な関係で行政を治めるしくみづくり
●「政治倫理条例」の策定